創作をする人々にとって著作権は他人事ではありません。 ここでは権利関係で分からなくなった時に参考になる情報を紹介します。

布には商用利用できない布があります。つまり、その布を使って製作したバッグや服を売ってはならないということです。

商用利用というと何か企業活動に限った大規模なものを想像しますが、フリーマーケットやオンラインでの個人売買も商用利用に含まれます。

もし作ったものを販売をする予定があるなら、あらかじめ使いたい布が商用利用可であることを確認する必要があります。「商用利用 布」で検索すれば商用利用可能な布のブランドをまとめてらっしゃる方々の情報を見られます。

他に楽天にある布屋さんは、多くが商用利用か提示してますし、オカダヤのようなお店でも店頭で表示しているところがありますので、参考にしましょう。 もし商用利用か可能か分からない場合、アニメに出てくるようなキャラクターはあきらめてください。花柄など微妙なものは布のデザイン元に問い合わせます。 無地やストライプ、ギンガムチェック、さらには伝統紋様については著作権を気にしないで使うことができます。

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商用利用と著作権はまた別の概念で、字面だけ追えば商用利用不可の布で作った作品でも友達に「あげる」のなら 問題なさそうですが、著作権でいう「個人利用の範囲に限られる」という条件がセットでついてくるという認識が一般的です。

目安として自分で楽しんだり、家族にあげる程度の利用です。それ以上はアウトです。 例えば以下もアウトです。

• A: 友達の子供用にキャラクター布を使った鞄を作ってあげる
• B: SNS に作ったものの画像を上げる

実際には A, B のパターンでは権利者によりお目こぼしされている状態です。同人誌と同じですね。法的にはアウトでも、権利者がダメといわなければ著作権法違反で有罪になることはありません。

お目こぼししている理由は２つほど類推できます。

• １つに費用がかかります。裁判を起こすと弁護士費用含めて １００万円 はかかります。それでいて裁判に勝っても賠償はちょっぴりしか取れないので赤字は確定的です。
• 第二にこういったファン活動が無料の宣伝として認められている事

キャラクターは放置しておくと人々の記憶から忘れ去られてしまいます。そこで定期的にそのキャラクターを使った作品をリリースしてキャラクターの価値を維持するのですが、そうはいってもアニメでも毎年出せません。 ファン活動があれば、無料でキャラクターの価値を維持することができます。

とはいっても「お目こぼし」するかどうかは権利者次第。ねずみキャラクター関連や、宝塚のように明確に禁止をアナウンスしたところは慎重になる必要があります。

型紙や編み図が載っているの入門書は多くありますが、だいたい「この型紙で作った作品は売っちゃダメ」という趣旨のことが書いてあります。 「なるほど、守りましょう」と納得できたらこの話は終わりなのですが、この妥当性について興味はないでしょうか。 というのも、上記の主張には法的根拠がないのです。 これについて考察された方がこちら

その根拠として編み図にまつわる判例があります。ここでは設計者の権利が保護されませんでした。 編み図は編み物の設計書に当たるもので、服でいえば型紙です。 編み図の設計者(X)が、その編み図をもとに服を制作、販売をした Y を訴えました。詳細はリンク先をご覧ください。

かといって作者のお願いを無視して商品を作って売っていいわけじゃありません。型紙や編み図の設計には多くの時間と労力が必要です。やすやすと商用で使われるのは「嫌」という意思は確かです。 だから法的に問題が無くても、そのまんま使うなどということは控えるべきです。 分かる人には分かるので「あそこは本のをそのまま使っている」という悪評も広まります。

衣服や靴などは実用品のデザインであるため、著作権では保護されにくいと考えられています。

これについては以下の記事が大変詳しいです。 「ファッション・デザインはどこまで自由か？」 しかし以下の章にも関連しますが、誰が見ても「どこそこの真似だ」と分かるものなら法的にグレーでもトラブルは避けられません。

まずこの記事を読んでください。

「私の教え子の卒業制作が、スウェーデンの若手デザイナーによってほぼ同じにコピーされた？

学生を中心に考えると「デザイナーに模倣された」と考えるのは無理もない事です。 私も「これは模倣された？」と考えました。 しかし先の記事を見れば、学生の作品以前にも似たような発想は存在していたことがわかり、学生自身が他の作品の影響を受けたことを明かしています。

二人とも同じ別の何かから着想を得たのかもしれません。どういうわけか全く繋がりのない２つの場所から似たものが生まれるというケースもあります。音楽については 似ているメロディを含む音楽を比較するサイトまであります 私はナウシカとクロノトリガーの音楽が全く同じで、長年気になってます。 服については実用性のあるパターンは１８世紀にやり尽くされたと考えています。 そこからの流れを外れると奇抜かもしれませんが、コスプレっぽいとか、洗濯で困るとか ファッションショーではよくても日常的に街を歩けないような服になってしまいます。

「模倣された」という主張はハンドメイド界では珍しくありません。 だけど模倣されたというのは本当でしょうか？

嘘をついているというわけではありません。 だけど、一歩下がって周りを見わたしませんか。フォロワー以外の誰か。友達や家族の意見を聞くのです。

自らを顧みず、一方的に「相手が盗用した」と責める状況はとても危険です。 支援してきたファンから信用を失うことにもなります。 客観的に自身の作品を見つめる必要があるのです。

ゲーム会社で注意されていること

1. ”偶然の類似に過ぎなければ著作権侵害ではない。そもそも客観的に見れば本人が思うほど似ていないことも多い。しかし、売り込み主の主観としては盗用に見えてしまうことも想像できる。”

Twitterに投稿のイラストが盗作と主張し、訴訟に発展。女性が送ってきた絵と見比べた上で「全く一致していない」 人気アニメ SAO の原作者と思い込んでいる人から連絡 ぬいぐるみの訴訟

一方で、山ほどの著作権違反をしている SHEIN。訴訟が多数起きており、もし訴えたらどうなるか？という点について参考になります。 日本人の被害 「丸パクリ疑惑」中国発のSHEIN（シーイン）また訴えられる　米で止まない訴訟問題 ちいかわの被害

クリスチャンディオールが民族衣装をパクる？ イタリアのハイブランドがラオスの民族衣装をパクる? 実際の服をイラストの資料にする時、デザインをそのままパクっていいの？→弁護士さんの解説が参考になる